こんにちは。
今日は、ニュージーランドの夏休みに開講される【大学のサマースクール】についてお話しします。
この記事の内容
- サマースクールの概要
- 受講のメリット(体験談も含む)
- 受講科目の選び方と申込方法
夏休みまで授業!?ニュージーランドの大学のサマースクールとは?
サマースクールは、夏休みに行われる、集中講座です。
日本の大学でも、同じように夏休みに幾つかの授業を取って、教員免許に必要な科目の単位を取った記憶があります。
ニュージーランドには、8つの大学がありますが、1年間の授業は2月下旬頃に始まり、11月頃に終わります。多くの大学は2期制の前期と後期です。
ニュージーランドの大学については、以下の記事をご覧ください。
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参考ニュージーランドの大学留学の要点がゼロから分かる【経験者直伝】
ニュージーランドの大学に留学したいけど、どんな大学があって、レベルはどれくらいなのか、入学するのは難しいのか。大学留学を考えた時に、最初に出てくる疑問だと思います。ニュージーランドの大学の概要や、入学基準、留学の際に考えるポイントを紹介しています。近い将来、ニュージーランドへの大学留学を計画している方は必見です。
11月~2月中旬が夏休みになりますが、この期間に5週間前後で、授業を行うのが【サマースクール】です。
サマースクール
- 期間:11月中旬~クリスマス前、1月初旬~2月中旬(6週間前後)
- 対象者:既に大学に通っている学生、新入生、その他
- 内容:通常の授業と同様(講義、実験、小人数授業、課題、試験)
- 単位:通常の授業と同じ単位数
- 授業料:通常の授業の1科目分に準じる
期間
基本的には、通常の学期(13週間ほど)で行う授業を、半分の期間の5-6週間で行います。
対象者
多くの場合、対象は、大学生、大学院生で、留学生も受講は可能です。大学の科目によっては、オンライン受講を認めているので、夏休みに母国に帰省しながら、授業を受けて、単位を取得することも可能です。
新入生の場合は、大学によって、受講できる場合とそうでない場合があります。受講できる場合の多くは、当然、大学への入学基準を満たしていることが必要で、それなりの英語力も必要です。新入生が受講できる科目は、大学で必要な英語や論文の書き方、各科目の基礎コースの場合が多いです。新入生には、オリエンテーションの様なものや、大学がある街の紹介などをしてくれる大学もあります。
内容
夏休みの期間ということで、晴れの日が多く、大学のキャンパスにも緑が溢れ、若干リラックス気分ではあるものの、実際には、毎日、通常の授業の2倍の作業量が求められます。そのため、90分の講義や少人数授業が1日に複数回あったり、そこに実験や実習が入ってきたり、中間試験や期末試験、レポートなど大忙しです。
どの大学も、単位をきちんと取るために、基本的には1科目のみの受講を勧めています。2科目受講する場合には、11月と1月に分散させて受講することを勧めていて、決して簡単に単位が取れるわけではなく、結構な勉強が必要になることが分かります。
単位
単位は、普段の学期の標準的な1科目と同じ単位数になります。
授業料
通常の学期の授業と同じ単位数が取得できるので、授業料も、通常の学期に取っている1科目分の値段です。留学生の場合は、大学や課目によって差はあるものの、4,000-5,000ドル(2021/12/14日のレートで30-40万円程度)くらいになります。
サマースクールを受講する3つの利点【経験談含む】
1年間勉強して、ようやくたどり着いた夏休みに、高いお金を支払って勉強するメリットは何なのでしょうか。
サマースクールの受講には主に3つのメリットがあります。
メリット
- 学位取得のスピードアップ
- 夏休み特有の雰囲気の活用
- 興味のある分野の学習
学位取得のスピードアップ
大学では、自分が先行する学部や学科で、定められた数の単位を取得しないと、学位(学士・修士・博士など)がもらえません。
日本の大学では、就職活動などを見越して1-2年生のうちに多く単位を取ってしまう学生がほとんどかもしれません。しかし、ニュージーランドでは、レベル(学年)の制限などがあり、各学年で取れる授業は概ね決まっています。多くの学生は、1学期に3-4つの科目を受講しますが、講義、授業、実験や実習、レポート、課題、小テスト、試験と、忙しく、ダブルディグリー(2つの学位を同時に取得する➡理学部と芸術学部など)の取得を目指している学生などは、入学してから卒業するまで、日々、朝から晩までフルで授業が入っていて、夜も寝ないで予習や課題をやっているということも珍しくありません。
その為、夏休みに1つでも2つでも、自分の卒業につながる単位を取っておきたい!という学生もいます。そんな学生には、サマースクールは願ってもないチャンス!です。
2学期に取る予定の単位の1つを、サマースクールで受講すれば、夏は集中して、この1教科を学習することができ、2学期は、科目が1つ減った分、学習量も減らすことができるのです。
夏休み特有の雰囲気の活用
夏は、サマータイムがあり、太陽が出ている時間も長くなります。日本のような、蒸し暑さがないニュージーランドでは、夏は緑が生い茂り、非常に爽やかで、気持ちの良い季節です。
サマースクールは、通常の学期よりは大幅に学生が減ります。多くの学生は、長期の夏休みは、実家に帰省したり、夏のアルバイトに行ったり、旅行に行ったりします。そうすると、大学の構内も、大学の周辺の寮や、アパートなども、だいぶ普段よりは物静かになります。
そして、学生数が減るので、1科目やクラスあたりの学生数も少なくなります。より少ない人数で、アットホームな雰囲気の中で、学習することができるのです。
勉強自体は、結構大変ですが、夏なので、教官も学生も、割と開放的な雰囲気で、何となくリラックスして授業を受けることができます。
私自身も、天気の良い日に、年配の教官がクラスを引き連れて外に行き、大学の庭の大きな木の下で、授業をしたことがありました。
また、大学によっては、学生会が、定期的に夏のイベントを企画するので、楽しいランチ会や、映画鑑賞、スポーツなどに参加することもでき、授業以外の部分で、新しい友達をつくることもできます。
興味のある分野の学習
普段は、教育や医学を専攻している場合でも、全く関係のないような科目に興味を持つこともあります。
私は、教育大の時も、医学部の1年次の時も、履修しなければいけない科目が決まっていて、数も多いので、学期中に、興味のある科目があっても、受講することはできませんでした。サマースクールでは、サマースクールでしか開講しない文化や歴史等々の授業も多くあるので、そのような授業を受講しました。普段は、学部や専門が違う友達とは、一緒に授業を受けることはありませんが、サマースクールでは、そのような学部等の制限もなくなるので、自由に選択して、受講できるのも魅力の1つだと思います。
私自身の、サマースクールの経験は、
- 受講人数が少ないのが、何となく話しやすい
- 友達を作りやすい雰囲気
- 教官との距離も近く感じられて、普段よりも積極的に質問などができた
- 普段より学生が少ないので、ストレスも少ない
- キャンパス内の緑を感じながら学べるのは、気持ち良かった
- 授業が早く終わると、友達と海へ行ったり、バーベキューを楽しんだりできた
学習は大変だったものの、普段よりゆったり学んで楽しめた感じです。
サマースクールの選び方と申込み方法
サマースクールや、受講するメリットは何となく理解できたけど・・・
どうやって、受講する大学や科目を選べばよいのでしょうか。
サマースクールの選び方
サマースクールは、自分が通っている大学以外でも受講することは可能ですが、ほとんどの場合は、自分が通っている大学で受講するので、大学を選ぶのに困ることはないと思います。
自分の大学で受講したい場合には、単位はどうなるのか、受講は可能なのかを予め確認するようにしてください。
受講科目については、学年(レベル)の指定や条件(特定の科目を既に履修していること等)がある場合も多いので、1つ1つよく確認をして、申込をしましょう。通常の学期の授業と異なり、時間をかけて慣れる~ということはできないので、課題の量や難しさなども、不安があれば確認すると良いと思います。
各大学のサマースクールについては、以下のサイトから確認して下さい。2021年12月現在では、コロナの状況次第では、中止の可能性があることを示唆している大学等もあります。
Auckland University of Technology
Victoria University of Wellington
実際に申し込む方法
- 9月頃に開講講座が発表
- 発表後に申込み開始
- 大学の指定サイトから申込み
- 必要な書類等の準備、提出
- 受講の許可、または追加書類提出連絡
- 授業料等の支払い
- サマースクール受講開始
どの大学でも、9月頃に、その年の夏のサマースクールの開講講座が公表されます。サマースクールを受講しようと考えている場合には、できるだけ早く情報を確認して申込みましょう。
場合によっては、希望する講座が開講されない場合もあります。また、人数制限や、受講条件などがあり、特に留学生の場合には、複数の書類が必要になることもあるので、早い時期に動くのがおススメです。また、10月は、2学期の終盤で、レポートや学期末試験なども入ってきて、慌ただしくなるので、可能な限り早めに行動しましょう。
申込は、ほとんどの大学で、大学内のポータルなどから申し込めるようになっています。不明点や気になることがある場合には、遠慮せずにサポートやサービス窓口に確認すると良いです。
希望する講座が受講できない可能性や、条件を満たしていない場合などには、担当部署からメール等で連絡が来るので、こちらもこまめにチェックして、見逃しや放置がないように注意しておきましょう。
最終的に、受講が許可されたら、期日までに授業料などを支払いましょう。また、ビザなどは、途中で切れてしまうことがないように、必ず確認しておきましょう。
受講開始日やオリエンテーションは、大学や課目によっても異なるので、連絡を見逃さずに、指定された日に参加するようにしましょう。
申込は、1月~のサマースクールの場合には、12月の初旬~中旬のことが多く、課目によっては、既に申し込みが多いと、許可されないこともあるので、興味がある人は、とにかく早目早目に行動しましょう。
まとめ
記事のまとめは、以下の通りです。
ポイント
サマースクールとは?
- 期間:11月中旬~クリスマス前、1月初旬~2月中旬(6週間前後)
- 内容:通常の授業と同様(講義、実験、小人数授業、課題、試験)
- 対象者:既に大学に通っている学生、新入生、その他
- 単位:通常の授業と同じ単位数
- 料金:通常の授業の1科目分に準じる
サマースクール受講の3つのポイント
- 学位取得のスピードアップ
- 夏休み特有の雰囲気の活用
- 興味のある分野の学習
サマースクールの選び方と申込み方法
- 基本は通っている大学
- 目的から選ぶ:①卒業単位へ向けて ②自分の純粋な興味
- 9月頃に開講講座が発表
- 発表後に申込み開始
- 大学の指定サイトから申込み
- 必要な書類等の準備、提出
- 受講の許可、または追加書類提出連絡
- 授業料等の支払い
- サマースクール受講開始
何となくサマースクールについて理解できたでしょうか。
これから留学する人や、既に留学しているけど、いまいち分からなくて手を出していなかったという人は、興味があれば、ぜひ試してみて下さい。
夏を楽しみつつ、新学期の良いスタートも切れるはずです。