Kia ora!
今回は、このような疑問に答え、大学選びの参考になる、基本的な大学の情報を説明します。
私自身も、高校2年の短期留学をきっかけに、高校卒業後すぐに単身で渡航して、語学学校を経て、教員養成大学(現在は総合大学の教育学部)に入学し、3年後に無事卒業することができました。更に、教員を経験した後に、再度医学関係の大学に入学し直した為、この時は、大学準備コースに半年ほど通いました。
この記事の内容
- ニュージーランドの大学の仕組み
- ニュージーランドの大学比較(入学基準等)
- 大学選択のポイント
2021年10月現在、新型コロナ肺炎の影響により、ニュージーランドへの渡航も規制されています。2021年11月以降は、全ての外国人入国者には、ワクチン接種が義務付けられる等の条件がありますので、最新の情報を外務省安全ホームページでご確認の上、渡航される場合は準備を行ってください。
また、コロナ禍におけるバーチャルオープンキャンパスや、オンライン学習を用意している大学や学部もありますので、詳細や最新情報は、留学先の学校に確認して下さい。
ニュージーランドの大学留学の基本事項
ニュージーランドの大学に留学しようと考えているあなたは、今どれくらいの情報を収集していますか。
まだ、何となく【行きたい!】と思っているだけで、詳しいことは分からない!という場合にも安心して下さい。基本的なことから説明します。既に、情報を色々と調べている場合には、あなたが調べた情報と同じか、抜けていた情報はないかなどを答え合わせしながら読んでみて下さい。
まず、大学へ留学したいと思ったら、以下のようなことを考えますよね。
- どんな大学があるの?
- 入学するのは難しいの?
- どうやって大学を選べばよいの?
日本であれば、
- 模擬試験などの結果
- 学費(公立・私立)
- 場所(実家から通えるか否か)
- 自分が学びたい学部があるか
などを参考にして、受験校を決めていくと思います。でも、外国の場合には、【言語の問題もあるし、どこから調べれば良いのか】悩みますね。そこで、今回は、実際にどのような情報をもとに、大学選びをすれば良いのかを説明していきます。
基本情報
- 大学の数
- 大学の種類
- 入学の条件
- 卒業までの年数
- 取得できる資格や学位
ニュージーランドには、NZQF(New Zealand Qualifications Framework: 学位・資格レベルの公式な認定制度)があり、上の図の一番左側のレベルで、どのような資格や学位が相当するか定められています。この制度に基づき、就職や進学などの書類には、条件等が記載されています。
上の図のように、ニュージーランドの【レベル7 大学】には学士以外の学位も含まれます。これは、既に学士を持っている人が、その学士の専門とは異なる大学院に進学したい場合などに、1年間その基礎を学び、大学院進学に備えるような場合です。(例:工学部を卒業したが、大学院では農業を専攻したい場合など)
今回は、日本から【学士】の資格を取る【大学留学】に限定して、話を進めていきます。
大学の数と種類
専門学校や、大学に準じる職業訓練校などは、全国に複数ありますが、大学は、国立の大学8校のみです。
大学の入学条件
日本の高校を卒業して、ニュージーランドの大学に留学を考える場合には、基本的に書類審査になります。
次の章で、少し詳しく説明しますが、学校によって違いはあるものの、成績は5段階評価で平均3-3.5以上の成績が求められます。そして、一番大変なのが、英語の入学基準です。IELTS(アカデミック版)という資格試験で、総合6.0-6.5で、4技能のうち5.5を下回るものがあってはいけないというものが多いです。
IELTSについて詳しく知りたい方は:IELTS
卒業までの年数
学部により異なりますが、通常の学部の場合は3年で、法律や医学、理系の学部では4-6年かかります。
取得できる資格や学位
通常の学部:学士
注意点:日本との違い
- 入学方法:その大学の強み(専門性)や所在地で決める学生が多い
- 入学時期:学年の始まりは1月下旬-2月中旬(ただし後期からの入学で7月に入学する学生も)
- 在学年数:多くの学部は卒業までに3年、他には4-6年の学部も
- 医系学部:1年次の成績や面談等通過者のみ、2年次以降専門の学部に進む
*医系学部で、希望する医学・歯学・薬学等の専門学部に進学できない場合は、理学部や健康学部に所属して、その学部の学士を取ることになる。
日本とシステムや方法が違うことも多いので、何かと戸惑うことが多いかもしれません。自分の学びたい学部や、専門性、移住などを考えている場合には、就職に有利な学位や資格を考えて、学部や大学を選ぶのも1つの方法だと思います。
ニュージーランドの教育システムについて、もう少し知りたい方は、以下の記事を参考にしてみて下さい。
-
参考ニュージーランドの学校【ざっくりとした教育制度や学校の様子】
ニュージーランドに留学や移住を考えているけど、実際の教育制度はどうなっているのか。学校の様子はどんな感じなのか。そんな疑問に答える為に、ニュージーランドの教育制度や学校の様子を簡単に説明しています。まずは、ニュージーランドの教育の全体像をつかみたい方は必見です。
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自分に合った大学選びの為に各大学の特徴を知る
8つの大学の場所、入学条件は以下の通りです。
大学の中でも、学部によって多少差がありますが、基本的には
- 高校の卒業資格
- 高校3年間の成績の平均(5段階の3.0-3.5以上)
- IELTSの6.0以上
というのが、共通している部分です。
現在は、日本でも、国際バカロレア試験などを取り入れている学校もあるので、その場合には、バカロレア試験の結果を使うことができます。
英語に関しても、総合が6.0ではありますが、リーディング、スピーキング、ライティング、リスニングの全部門で5.5未満があるとアウトです。更には、教員養成課程の場合には、もう少し高いスコアが必要になります。
万が一、入学条件に数字が足りない場合には、大学準備コースなどもあるので、安心して下さい。この準備コースについては、別の記事でお話しします。
学費は、医学系やパイロットなどの学部は、平均の学費の倍程になります。
各大学の学部や学費の詳細は、以下のサイトで確認して下さい。
- Explore our world-class universities
- オークランド大学
- オークランド工科大学
- ワイカト大学
- マッセイ大学
- ビクトリア大学
- カンタベリー大学
- リンカーン大学
- オタゴ大学
大学によって、政治関係の学部が強い、医学系の学部が強い、研究に力を入れている、授業の実施方法や地域とのつながりなど、特徴があります。気になる学校は、よく調べてみましょう。
現在は、バーチャルオープンスクールもあり、更に大学によっては、完全オンラインの大学もありますので、興味があれば調べてみて下さい。
知っておきたい大学選択と出願手続きのポイント
これは、日本の大学選びでも同様のことが言えると思いますが、後悔しない大学選びには、やはり十分な情報が必要です。
必ず確認したい情報
- 大学の入学条件
- 取得できる資格や卒業までの年数
- 学費
- 出願や入学手続きの流れ
- 入学後に住む場所
大学の入学条件
- 日本の高校の卒業+成績
- 英語の条件
自分が希望する学部が、複数の大学であるのであれば、複数に出願した方が良いでしょう。
入学条件をクリアしていることはもちろんですが、より高いスコアや成績の方が、入学を許可される可能性は高くなるので、十分確認しましょう。学科や学部によっては、記載の入学条件よりも高い成績でないと、入学後についていけないようなこともあります。
取得できる資格や卒業までの年数
- どのような学位や資格が取得できるのか
- ダブルディグリー(2つの学位を同時に取得する)は可能なのか。
- 卒業には何年かかるのか。
自分のプランに合っているかを確認しましょう。
ニュージーランドの大学では、3年間~6年間と、学部によって卒業までの年数が異なるので、必ず確認しましょう。私が最初に卒業した、教員養成学部は3年、2回目に挑戦して途中になっている医学の研究関係の学部は卒業までに4年必要でした。
学費
学年や学部によって、大きく異なります。
医学系やパイロットの学部では、他の学部の倍になることもあるので、注意しましょう。
出願や入学手続きの流れ
ニュージーランドの大学は、1月末~2月中旬に始まり、10-12月に終わります。留学を決めた時点で、できるだけ早く手続きの流れを確認して、準備を進めるとスムーズに大学入学まで漕ぎつけると思います。
入学後に住む場所
新入生の多くは、実家を離れて大学に通う場合、1年次は寮に入ることが多いです。
寮と言っても、大学が準備した一軒家を複数名でシェアして、夕食が提供される、困った時に世話をしてくれる人がいるようなものから、大きなアパートのような建物に、1人部屋、2人部屋などで生活し、食事や清掃が提供されるようなものもあります。
もちろん、自身で借りたフラットなどに住む学生もいますが、友人を作る、様々な情報を知る、学生割引などを利用できるという点では、寮がおススメです。寮によっては、入寮基準が厳しい所もありますが、上級生が授業の補習や、特に医学系の学部では、勉強や競争が激しいので、非常に有用なアドバイスや学習方法を教えてくれる場合もあります。
多くの学生は、2年生になる時に、友人と一軒家を借りたり、フラットを探したりして、寮を出ていきます。
重要ポイント
とにかく早い段階で、正しい情報を入手して、自分に合った学校を探し、早目に出願手続きをすること
まとめ
ニュージーランドの大学は、日本に比べて、数が非常に少ないですが、その分、トップレベルの質の教育が行われています。
記事のポイントをまとめます。
ポイント
- 大学の数は8校のみ
- 入学基準は、高校の成績と英語
- 大学は3-6年間で学部により異なる
まずは、自分がやりたいことを確認し、それが学べる大学を探して、入学基準を満たしているか確認しましょう。